今日はゆっくりと過ごした。



変わらず、火曜日には朝方まで、昨日も5時までと飲みまくりの日々を送っている。



さすがに体が疲れていた。



もう、47歳なのだ。



今日は夕方まで寝て過ごした。



ゴソゴソと起き出し、少々散らかった部屋を掃除する。



先週、水換えをした水槽に金魚とエビを、水あわせをしながら入れる。



ゴミ出しや水回り、風呂の掃除を済ませた。



おかげで部屋はきれいになった。



金魚もきれいな水の中、気持ち良さそうに泳いでいる。


たっぷりと寝たので、体調も戻った。



昨日の記憶が少しずつ蘇る。






昨日はお世話になった方の退職祝いの飲み会だった。


その方を皆で見送り、若手と共に飲みに出た。



0時を回る頃、例のバーに行った。



カウンターに座ると左側に見慣れた男がいる。



以前、他のバーで知り合った系列会社の人だ。



噺家の様に流暢に話す人なのだが、少々押し付けがましいのが、段々とうっとおしくなってくる。



「貴方ね、たまにはスーツじゃなく、私服で飲みに来なさいよ。そう言えば、少し太りましたか?。私なんかはね・・・」



あ゛〜    



また始まった。



思い出したが、この人には以前、あまりにうるさいので、少し文句を言った事がある。



文句を言って変な空気になるのが嫌なので、適当におちょくりながら、いなしていたが、延々と話し続けるので聞くに堪えなくなり、カウンターで眠りに就いた。



昔からバーのカウンターで眠るクセがある。



ルール違反だとは思うが、これがたまらなく心地よくてやめられないのだ。



起きる頃にはおしゃべり親父は居なくなっていた。



いつもの常連の人が店に来た。



この方、寿司屋のオーナーで、すごく渋くて、まるで、チャールズブロンソンの様な容貌をしている。
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このバーで知り合いになり、店に寿司も食べに行った。



昔はカタギじゃなかったみたいだが、紳士で優しくて、何処か気が合うので、店でよく話す様になった。



バーテンの彼女の、親父さんの時代からの常連さんで、親父さんがバーをされて居た時の話しを色々と教えてくれる。



親父さんの人となりを聞くうち、以前、自分もこの店で親父さんと話していた様な錯覚を覚える。



「お父さんが生きていたら、たぶんok_keyさんとすごく気が合ってたんじゃないかと思う。」



バーテンの彼女がそう言いながら、親父さんがまだ元気な頃の写真をカウンターに置いてくれる。



ブロンソンと彼女から親父さんの話を聞きながら、優しそうな親父さんの写真を見て、酒を飲み進める。



やはり昼間感じた様に、以前、親父さんの店で飲んだことがあるような錯覚を覚える。



最初に店に来た時にそう感じたのだが、親父さんに招かれて店に来たんだと、再び強く感じた。



ブロンソンや彼女以外にも、数人の方から、親父さんの話しを聞いた事があるが、彼等を通して、親父さんが話しかけてくれている、そんな気がした。



皆、親父さんの話をする時、すごく嬉しそうに話をする。



その話を聞いていつも、ほっこりとした気分にさせられる。



そして、親父さんとお会いした事があるかの様な錯覚を覚えて、こちらまで嬉しくなってくる。



最近、飲むと記憶が曖昧になる。
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夢とうつつを行き来しながら、後からその狭間の断片的な記憶を辿ると、境目がわからなくなってくる。


寝に入る時の様に、フワフワと夢とうつつの狭間を行き来する。




昨年までは度々、離婚する前の苦々しい記憶に心を傷める事があったが、最近はそんなことを思い出す事もなくなりつつある。



辛い過去の記憶に足を取られてばかりいても仕方がなく、いっそ忘れてしまった方がいい事もある。



親父さんがそんなアドバイスをしてくれている、そんな気がしてならない。