フリーマントルへ行って突然思い出した男鹿半島を一周する駅伝のことを書きたいと思う。

 

今は土曜日の開催となっているようだが、当時は7月の第一金曜日だった。そのため、チームは前日の木曜日に大会会場の近場に泊まって翌日に備えることになる。私は、木曜日を午後からの半日休暇、金曜日を終日休暇にして参加したが当時は仕事が忙しかったこともあり自分の趣味のために週末に1日半の休暇をとるのは今と違って若干の罪悪感があった。でもまぁそれを感じているのも木曜日の午前中だけで、会社を引けてからは背中に羽が生えたようにして一緒に走るメンバーの待つ集合場所へ鼻歌交じりで飛んで行った。

 

大会前日の木曜日に駅伝の運営側が指定する宿に宿泊する場合は、その宿泊費が半額になるので指定されていた中から割とお高めの宿を選択すると、部屋にも風呂にも食事にも大満足するのでそれだけでも来て良かったと思ってしまう。そして、恐らくその宿から見たのだと思うが、もの凄い夕日が海に沈むのを見ることができた。そして時期的なこともあったと思うがなかなか暗くならない。夜8時頃になっても日が沈んだ方を見てみるとまだぼんやりとではあるが明るかった。それで今自分が居るのは日本海側であることを改めて認識した。

 

当時自分が付けていた練習日記をロフトから引っ張りだして読んでみると、この駅伝での走りがその年のベストレースになっていた。途中から海沿いを走るのでアップダウンが無く走りやすいコースではあるが「30分45秒/9.8キロ」は自分としては確かにもの凄い記録だ(目標は32分ちょうどと書かれていた)。田舎の駅伝ではあるあるだが、実際の距離が短かったのかもしれない。でも、同じ区間を走った会社の陸上部の(箱根駅伝では当日変更となり走れなかった)佐藤君とのタイム差が28秒しか無かったので、それを考えると距離は当たらずとも遠からずでやはり自分の調子が異常に良かったのだと思う。確かに最後までリズム良く走れたという記憶もある。

 

この駅伝のゴールは海岸沿いの「入道崎」というところだが、ここの景色がまた素晴らし過ぎる。ラストはだらだらの上り勾配となるので走る選手にとってはキツイが、こんなところを走れる選手は私からすれば羨ましい限りだ。広大な芝生の大地と日本海、見渡す限りの空、これは一見の価値がある景勝地だ。男鹿半島へ行ったことの無い人は是非一度ここを訪れて欲しい。