基本的にタクシーは乗り合いで、代金は運転手との交渉次第だった。交渉次第とは言っても事前に大凡の料金情報を入手していかなければ交渉の席に着けない。そして前述のヴァキール・バザールからのホテルへの帰路でタクシーを利用することにした(行きは、出張先の会社に手配してもらった)。

 

現地で使われている通過は「リアル」と呼ばれていて、はっきりした記憶は無いが「1円が1000リアルで、お札は1万リアルが最も少額」だったと思うので、1,000円を両替すると100万リアルなので1万リアル札が100枚となり大金持ちになったような錯覚に陥ってしまう。

 

タクシーはバザールを出たところで直ぐに見つけることができ、私を含めた日本人3名が乗った。私より1ヶ月程前から出張していた本社の方は結構ペルシャ語が話せるようになっていたので、その方を主な交渉人としてタクシーへ乗り込んだ。そして目的地を告げた直後から料金の交渉が始まったのだが、それを見ていると私たちもなんとなく興奮してきたのかペルシャ語なのか英語なのか良く分からない数字を言ってその交渉の中に入った。目的地のホテルはそれ程遠くは無かったこともあり、その交渉はホテルへ到着しても尚決着せず、しばらくの間ホテルの前でタクシーを停めて交渉した。交渉を開始した時の料金より3万リアル程安くなり事前情報の料金とほぼ同額になったので交渉を終えて支払いを済ませ、それぞれの部屋へ戻ることにした。

 

結構頑張って交渉したなぁ…と思ったのもつかの間、3人で3万リアルとうことは1人10円…。あれだけ頑張って交渉したのにたったの10円だったのかぁ…、バザールで購入した絨毯の金額と比較すると屁みたいなどうでもいい程度の額だった。まぁ、現地のタクシー運転手と直接料金の交渉をしたという珍しくも楽しい経験ができた、ということで良しとすることにした。