休日に日本人3人で市の中心部にある「ヴァキール・バザール」へ行った。前日に出張先での勤務中にその話をしていたら、出張先の担当者が社用車と運転手を手配してくれたのでその場所へはあっさりと到着した。「ヴァキール・バザール」については、シラーズを訪れる人にとっては欠かせない場所のひとつなので、ここで私がそれを紹介するまでも無いが、その巨大さに圧倒されたというのが第一印象だった。そして外観も内装も天井も全てに於いて、なんともエキゾチックな雰囲気が漂い、迷路のようなその中で、数えきれない程の数の店があり、香辛料を含む食品、衣類、日用品、工芸品等が、所狭しと並べられていた。

 

全ての商品が記念になりそうだったが、私としてはやはり有名な「ペルシャ絨毯」を買わない訳にはいかなかった。もう一つの理由が、ホテルの隣のAzadi park内にある一坪程の小さな小屋の中で若い女性が絨毯を織る姿をガラス越しに見たことだった。観光客へ見せるための小屋のように感じたが、あのような狭苦しいところで一生懸命に(恐らく)朝から晩まで絨毯を織っている女性たちを気の毒に思ったからだ。

 

イランへの出張手当には危険地手当も含まれていたので気持ちは大きくなっていたが、店主の言い値は相場の分からない私でも結構な高値を言っているなと感じた。もしかしたら日本人相手なので法外とは言わないまでも吹っ掛けていたのかもしれない。英語は通じないので日本人3人が片言のペルシャ語と身振り手振りで当初の言い値から3割引き程度で玄関用のペルシャ絨毯を3枚買った。頑張って交渉し結構値切ることができたという結果に満足したのか、結局それ以外は見るだけで何も買わずに帰ることになった。