3.ドバイ空港でのトランジット

空港外へは出られないにもかわらず5時間前後の乗り換え時間があった。当時のドバイ空港はシンガポール空港のように広大でいくら時間があっても足りないのではないかと思えるほどの店舗があるのとは異なり、かなり殺風景で面白みのないところだった。そのため空港内のベンチで時間を潰すしか無かったのだが、幸い初のビジネスクラスでしゃいでいて寝不足気味だったことから、寝心地の悪いベンチとは言えトータルで2~3時間は寝ることで時間を潰すことができた。初めてイスラム圏へ足を踏み入れたのだが、最初に私の目を引いたのはやはりその服装だった。イスラム教でもその宗派により微妙に服装は違っているが、そこはイラン国内とは違って目だけを出している「二カーブ」と呼ばれるスタイルだった。また、その唯一出ている目が我々のようなアジア人とは全く異なりアイシャドウを塗りたくっているのではないかと勘違いしてしまうほど大きくはっきりとしていて、普通に顔を出していれば恐らくほぼ全員が美人の枠に入るのになぁ…、と思っていた。と同時に、高校生の時に初めて見た(学校近所の喫茶店へ一時的に勤めていた)黒人の女性(「アルバイト先で:外国人観光客」に登場)を思い出した。

 

4.イラン国内へ

ドバイから(イランの)シラーズへはビジネスクラスでは無かった、というかエコノミークラスしか無い小さなロシア製の機体だった。驚いたのは搭乗ゲートを過ぎると、子供たちが結構な勢いで機内まで走って行ったことだ。何のことやらわからなかったが、機内へ入ってみたら我々の席を含め窓側の席がさっき走って行った子供たちで全てが埋まっているではないか…。どうやら座席は早い者勝ちだったらしい。んじゃ、この航空券に印刷されている座席番号の意味は何なんだ?と思ったが、その子供たちが窓の外を見ながら楽しそうにしている姿を見たら「まぁ、いいか」という気持ちになった。そんじゃ私たちはどこに座れば良いのか?とCAさんに聞いたら「空いている席ならどこでも結構です」と言われた…。