3.合唱

休日に観光地を訪れてみたい、というので観光タクシーを手配し風光明媚な場所で素晴らしい船頭さんの歌声も聞ける屋形船に乗りに行くことにした。現地へ到着後、乗船して船が動き始めると、すれ違う船の人たちは明らかに中近東系と分かる人たちで貸し切りとなっている船が珍しいようで、こちらに向かって手を振ってくる。すると彼等も嬉しそうに手を振って子供のように喜んでいた。

 

船頭さんの唄が始まると、それまでの騒ぎ声が一瞬にして止まり今度はみんなが熱心に聞き入っていた。そしてその唄が終わるとやんやの喝采。更には「お礼に今度は自分たちが唄う」と言い恐らく現地の伝統的な曲と思われる楽しそうな曲を全員で歌い始めた。イメージと違って「かなり陽気な人たちだ」と思って見ていたら「お前も一緒に唄え」と言われたが、歌えるはずが無い。にもかかわらず「唄え唄え」としつこいので、仕方なく「あ~あ~」と曲に合わせて声を出していたら、船が着くころには私もなんだか楽しい気分になってきたから不思議だ。

 

4.研修終了

約2週間の研修が無事に終了した。東京で1泊した後にイランへ帰国するらしい。現地での生産開始に際し、今度は日本からは「①駐在員:1名、②長期出張者:1名、③短期出張者:2名」の構成で支援するということだった。イランへの帰国前に「次はお前が来い」と言ってくれるメンバーも居たし、勤務先からもその旨の打診があり、また私もなかなか訪れる機会の無い国であることから是非行ってみたいという思いが強かったので、既に決まっていた転職先への出勤開始日を遅らせて、③のメンバーとして出張することにした。