翌日の金曜日、陸上部員は午後の授業が公欠となり午後から高総体の大会会場がある県の中心部へ移動した。

 

その晩の「明日の朝には回復していますように」という願いも空しく翌朝は喉が痛くて声も出せない状況にまで悪化していた。熱も全く下がってない…。

 

大会1日目は1,500Mだったが、ラスト1周の400Mで数人に抜かれ敢え無く予選敗退。決勝まで進めなかった初めての経験を最後の高総体で経験するとは予想もしてなかった。悔やんでも仕方が無いので目標を「1,500MSCで6位以内(これで東北大会への出場権が得られる)」へと切り替え、それに向けて今持っている力の全てを出そうと決めた。

 

今でも不思議に思うのは、通常であれば1,500MSCも5,000Mも午前:予選、午後:決勝でその日のうちに終了するのだが、その大会に限って(だと思うが)両種目とも大会2日目に予選、そして3日目が決勝というプログラムになっていた。何としても東北大会へ行きたかった私は5,000Mを棄権して1,500MSCに全てを賭けることにした。前年に平田さんが得意種目である800Mでの優勝に勝負を賭けるため他の種目を棄権したのとは全く違う情けない理由での棄権だった。