【第150回】で紹介した『貞観政要(じょうかんせいよう)』から。

『近頃、政務を決裁するとき、時々、法令違反に気づくことがある』
『この程度は小事として、敢えて見逃しているのだろうが、天下の大事は、このような小事から始まる』『小事だからといって放置すれば、大事に至った段階では、もはや、手のつけようもない』
『国家の危機という事態にもつながる可能性のある小事を疎かにせず、目を光らせていこう』
と太宗は仰った。

私もこの点を重視してきました。
細かいと思われていたでしょうが『小さなズレなら修正もカンタン』なので、不具合は『いかに早い段階で修正するか』に注力しておりました。

よく『ゆでガエルの論理』で語られる『少しずつの状況悪化は見逃されてしまう』点に関する戒めですね。どうしても『不安定⇒安定』となって落ち着いた時点で『安心』してしまうのが、人というものですが、『安定』の中にある、『少しのズレ』をどう発見し、修正するか。変化の大きい、またスピードが速い、現代こそ、『小さなズレ』を早期に発見する個々人の行動と全体の仕組みが重要です。