54歳になった自分自身が思う『他の人には出来ない(したくない)けど、自分にとっては普通』である事(価値)は何か?

『あえて、火中の栗を拾う』事ですね。
具体的には、社内での問題、労務紛争や社外利害関係者との紛争解決。


これらは『対応が早い』と解決も早いのですが、『火中の栗』なので、皆さん、拾いたがらず、パス回しをしている内にボヤが大火災になってから慌てることとなります。
『火中の栗』とはいえ、まだ、手を突っ込める程度の火であれば、どうって事ありません。

人が対立し、一旦紛争となれば、互いに『相手が間違っている』という思い込みと一方的な決めつけによってラベリングしてしまう事で、解決の糸口が見えなくなります。

そこで、孫子の兵法。
『彼れを知りて己を知れば、百戦して殆うからず』

まずは、相手の解決したい問題、要望、そう思うにいたった経緯(きっかけ)、(相手の)現状認識。
その上で、コチラ側の上記事項共有。

そうすれば、お互いに『彼れを知りて己を知る』状況となります。

相手にとっては『まず、自分の不満を理解してほしい』心理なので、そこをしっかり聞いた上でのスタート。
『互いに言いたい事をぶつけあっている』もしくは『互いに陰口を言いあっている』状況では何も解決しません。

ですので、社内であっても社外であっても、紛争に関して、
『おそらく、〇〇と考えているに違いない』『もしかしたら〇〇かも・・・』
という内容であれば、最初に言うのは
『相手に聞けばイイじゃないですか?』『考えて分かるんですか?相手の気持ちや頭の中が』です。

私は、この手の紛争解決では『自分が直接、当事者から聞いたこと』と『観察して得た事実』しか重視しません。『〇〇さんから(伝聞として)聞いた』とか『皆が〇〇と言っている』という事は、便所のラクガキ程度の扱いですね。

ちなみに、これが自分の価値だと言うのは『特別な努力で身に着けた』ものでは無いからです。

(1)紛争対応は早い方が良い・・・モメごとを放置すれば、さらに大きくなるのは目に見えているのに、何もしない事に、『イライラする』から。
(2)まず、相手を知ろうとする(話を聞く)・・・例えば、クルマの営業であれば、ミニバンをすすめてきたお客様が本当はスポーツカーが欲しいという事で最後の最後にキャンセルをくらうような時、ものすごい疲労感をドーンと感じるのがイヤだから。紛争で言うと、最後の最後に情報不足で『負けるのがイヤ』だから。
(3)火中の栗を拾う・・・人にどう見られるか、何を言われるか、全く気にならないから。

つまり、『短気・勝ち負けにこだわる・空気が読めない』から紛争解決が得意分野とも言えます。

欠点ですよね。人としては。
でも、既に持っているものなので、『それをどう活かすか』を考えた方が良いんです。
『バカとハサミは使いよう』と先人も言われておりますので、『今あるもの、持っているもの』を最大限活かして、価値に変えていきましょう。

若かりし頃は『自分の価値(強み)って何やねん』『そんなん、何にも無いわ』って思い悩む事もありました。
バンドとバイトばかりしていて大学も2年留年。

時代はバブル。
バイト先のオーナーが『ハワイに服を仕入れに行くけど、お前、一緒に行くか』『結構、利益出るから、1人分の旅費くらい、どうにでもなるから』って誘われて、『それもエエな』『気に入ってもらって、本業にしようかな』と思ったり。

あとは、大学内の『青年海外協力隊』掲示板を見て『南米へ渡って、期間終了後は、そのまま南米に居ったろうかな』『で、金でも掘り当てたら、日本に帰ってくるとか』考えたり。

社会人の皆さんは景気が良い。社会全体も。
でも、自分は学生で何も出来ず、何も持っていない。

今思うと懐かしいですね。あの宙ぶらりんな気持ち。
ボーっとしていると、胃がキューっとなって、背中がゾワゾワっとするカンジ。

54歳になった今の自分なら分かります。

『自分の価値』って、誰にも出来ない特別な事をやるのではなく、
『誰にでも出来るけど、誰よりも一所懸命に取り組める分野を持つ事』によって生まれる。

会社でも同じですよね。
『価値(強み)』って、例えば『アイサツ№1』とか『ご依頼いただいてから見積もり提出までは24時間以内』とか『現場仕事の翌日には「いかがですか?」とお客様に連絡。あわせて、気づいた異常や今後の改修必要箇所をお伝えする』とか。

どれも、特別な能力がなくても、誰にでも出来る事。
それを『誰にも出来ないくらい、一所懸命に取り組んで、続けていく事』

それが、お客様から見てのか『価値(強み)』になる。

『価値』って、今、出来ること、やっている事の中にある。
もう、備わっているんですよね。
それに気づいていないのは、自分だけ。

人との対話、お客様との対話を通じて、再発見。
人間は社会的な動物ですので、こういったコミュニケーションを通して、自分自身を知るんでしょうね。

私にとって、前回書いた『Win×Win』より、しっくりくるのは『お互い様』ですね。
何か、教えて欲しいこと、協力してほしいこと、そういう事があれば、お約束して会いに行きます。

で、コチラの用件が終わったら『何か、今困っている事ないですか?』と質問。
そこで聞いた内容に、その場でアドバイス。
そのお相手が全く、未経験だったり、言葉で聞いてもイメージがわかない(出来る気がしない)内容だった場合には『おそらく2~3時間あれば、出来ると思うので、一緒にやりましょうか』『普段、こういう事を仕事としてやっているんですが、この件は、わざわざ時間をとっていただいた事への私からの御礼なので、モチロン無料で』としています。

 

今、社外取締役や顧問として経営に関わっている会社のお客様へ営業として訪問する際にも、『今、〇〇に力を入れております』『端的に申し上げると〇〇の仕事くださいという事ですね』とコチラのお願いを、まずシンプルにお伝えします。

『じゃあ〇〇とかも出来る?』と聞かれた場合に『それなら、〇〇より△△した方が良いんじゃないですか』とお客様目線で役に立ちそうな情報提供すると、コチラがお願いに伺ったのに『ありがとう』と感謝されたり、翌日に別件で仕事の依頼がメールで入ったりしています。

まず『お願い』、その後『御礼(お返し)』パターンです。
『下心があって来ました』『けど、それだけでは帰りませんよ』『何ぞ、お役に立って帰りますんで』スタイル。

そうすると、お客様とアポイントもとりやすくなり、目的も冒頭でスグ、場合によっては電話で伝えてありますので、面談時間も短く済みます。

これが私の『お互い様』。