自転車に二人の子どもを乗せて走るお母さんがいる。

 ときどきはなんと、スマホを操作している。

 「おい、おい三人の命がかかっているんだぞ」

 と、言いたくなるほどハラハラする時が多い。

 母親はわが街を移動するときにはママチャリが必須なのであろう。

 その必須にスマホが加わっているのである。

 スマホはママの命よりも大切なのであろうか。

 そんな見慣れた情景の中でパパチャリを夏休みなのか見かける。

 スマホを操作しながらなど見たことはない。

 わが子の自分の安全を最優先し、微動だにしない。

 子どもは、すっかりパパを信頼しきっているようにゆったり自転車の揺れに身をゆだねている。

 そんな安心がすれ違うわたしを包み込む。

 たまには、ほのぼのとする情景を見たいと思っていたわたしは幸福感を抱く瞬間であった。