台風一過の日である。

 東京は朝からかんかん照り。

 わたしは出かけると決めていたので午前9時過ぎには自宅を出た。

 日傘はカバンに入れた。

 なかなか使用しようとは思わなかった。

 西八王子に着いた。

 陽が強い。

 日傘をカバンから取り出し、さした。

 なんとなく涼しい。

 あちらこちら日傘が目につく。

 女性ばかりであった。

 男はわれ1人。

 紫外線から身を守るためにわれはなす、日傘を。

 そこまでして仕事に行ったのに、目的物はない。

 周囲に聞きに行ってそのものは自分が受け取れない場所にあることが分かった。

 この日、やたら浴衣姿の女性が多かった。

 午前中からである。

 お祭りがあるのであろう。

 女性とは気が早いのである。

 それにしても、夏は人間を急き立てる。

 わたしは夏のせっかちさに従わざるを得ない。

 だけれども、それに従うことが真実から遠ざかるとしたらそれはまずい。

 必要なものは室内に入ってしまった。今日はわたしは手にすることはできなかった。