本リフレットは山川出版社から2014年2月25日に刊行された。
中世史の五味さんが藤原定家を日本人初の芸術家としてとらえ、それを定家の『明月記』と定家の和歌を手掛かりにして本リフレットで実証しようとしている。
芸術家でありながら定家は自らの地位向上に腐心し、除目のたびに一喜一憂する。人間的すぎるのである。
そして、筆者は定家が芸術家になったのはパトロン後鳥羽上皇の存在と言い切る。
「芸術家とは、もちろん優秀な作品を残し、特殊な才能と強烈な自負心をもつ存在であるが、さらにそれを評価し支持する審美眼の肥えたタパトロンの存在も欠かせないものであり、それとの刺激的な関わり合いから、新たな理論や作品が生まれ、後世に多大な影響を与えるのである」
と、端的に表現する。
わたしは短歌は作ったことはあるが、和歌は読み解けない。
定家が選んだ『小倉百人一首』も知らない。
せめて、『新古今和歌集』ぐらい読んでみよう。
筆者は本郷和人さんの師匠にあたる。歴史上の人物に焦点を当てて、歴史を紐解くのは大変興味深い分野である。