アスファルトをたたきつけるように雨が終日降り続いている。
ところがわたしの部屋の前には草原が緑を輝かせるように広がっている。
雨は草原でははじけることなしに静かに吸い取られる。
この雨のようすはおもしろさを感じ取れる。
枕草子にも徒然草にも方丈記にも、雨について趣があるとか、いとおかしとか書かれてはいない。
雨は日本人の情感には訴えない日常では迷惑な自然現象なのであろう。
ところが、草原に降る雨は豊かさを称えながらやさしく、いとおしむように草草を濡らす。
雨は草や木に恵みを与える。
それすら忘れて雨は迷惑ものと思い込んでいたわたしは雨の偉大なる愛を目の当たりにした。
こんな気持ちになったのも雨の降る日に出かける必要がなかったからであろう。
梅雨には空梅雨などの言葉がある。
梅雨寒にぴったりの寒さである。
ようやく、ガスストーブを出したままにしていた理由までわかった。