20センチ×30センチの白板が冷蔵庫の上部にかかっている。

 この白板には両親と高校の友人の没年月日が書かれている。

 命日には黙祷するためである。

 少し、友人との思い出を書いておきたいと思う。

 高校の友人とは、3年間クラスを共にしただけで、在学中はそれほど親しくなかった。

 優等生の友、劣等生のわたしでは気が合うはずはなかった。

 ところが、卒業後に妙に気が合うようになったのだ。

 友は文学部に進み、中国語の修得にはげみ、クルマの運転が得意であった。わたしと言えば、修得するものもなく、クルマの免許も大学4年生の時にようやくその友の助けで取得できたのである。

 友とは京都奈良旅行をした。西陣織に関心があった友は西陣へ、わたしは苔寺へと、各々が目的地で自由に動き回った。

 教師になった友は、わたしが勤務する会社をためると連絡すると、突然奈良県にある独身寮を訪ねてきた。

 「俺の友人でお前だけがまともに勤めている。勤め続けろ」と。

 何とも不思議な理屈であったが、うれしいと思った記憶が鮮明にある。

 いなくなって20年経ったことになる。

 君がいてくれていたら、俺の人生にもっと充実感があったはずなのだが、と思わざるを得ない。