本書は2012年7月18日に集英社新書として発行された。

 死生学を講じている筆者は魅力的なドイツ人である。

 筆者はわがん日本の土になると、すでに墓を準備している。

 死への準備をすでにしているのである。筆者が亡くなれば、故郷ドイツでミサをしてもらえるだろうと、ユーモアを交えて解説している。

 筆者は肉親の死と向き合っている。4歳の妹さんを白血病で失っているのである。

 たぶん、その体験が筆者を死生学に目を駆り立てたのであろう。

 本書は40の言葉の花束を用意し、優しい語り口で丁寧に経験知識を駆使してわかりやすく解説している。

 ここでは、筆者自身の言葉を紹介しておきたい。

 「あきらめることはあきらかにすること」

 「自分のやるべき善をやらないのは怠りの罪である」

 「死そのものよりも、死に逝く過程のほうに人は、はるかに恐れを抱くものです」

 「死に逝く人をいかに温かく見守るかは社会や文化の成熟の度合いをはかる尺度になる」

 「晴れてもアーメン 雨でもハレルヤ」

 「自分の愚かさに気づいて笑える人は賢い人である」

 「祈りの真の意味は感謝である」

 筆者は渾身の力を込めて、自らの言葉の花束7つを読者に与えてくれている。

 宗教を信じる人にはイエズスがいたり、仏陀いたりする。

 残念ながらわたしには信じる教えはない。

 やはり学べたのは千葉敦子さんの言葉である。

 「よく死ぬことは、よく生きることだ」

 よく生き続ければ、モーツァルトのように死を友人とできるかもしれない。