その日、下北沢で二人に会った。
仲のよいクリエイター夫婦である。
ご主人はカメラマン兼映像クリエイター、奥さんは装丁家兼デザイナーである。
2年前はご夫婦のご自宅に伺い、もてなされた。
2人とも、えっと思うほど料理がうまい。
料理はセンスだと思っているが、2人のセンスは秀逸であった。
手間暇をかけさせたくなかったので、その日は下北沢にしたのである。
駅はあちらこちら工事中で、わたしの想像力ではついていけないほどであった。
「わたしたちが知っているお店がほとんどなくなってしまった」
唯一、生き残っている台湾料理の店に行った。
わたしは渋谷と新大久保にある麗郷という台湾料理が好きでお二人を何度か誘ってよく食べ、よく飲んだものだが、2人は台湾料理好きのわたしのことを覚えていて、その店にしたのである。
わたしは台湾に行ったとき、あちらこちらに腸詰はあると思っていたのだが、なかった。
その店にはあったので早速頼んだ。
最近の2人の様子よりも、わたしの孤独死、老人が骨折したら手術をしたほうがよい、わが街のさくら見物に多くの人々が繰り出していることなどを、一人でしゃべっていた。
約4時間楽しい時間を過ごした。
昔は日日が変わるまで付き合ったものだが、年齢による衰えはいかんともしがたかった。