1945年3月10日はアメリカ軍による大規模な空襲があった日である。
「焼夷弾が空を埋め尽くして落ちてくる。それを避けて逃げる。ところがすぐに火災が発生し、逃げ場が無くなる。それでも火のない方角に逃げる。助けを求める人はいっぱいいるが、かまってられない」
火の海の中を、何度も逃げることができた当時20代の女性の話である。
「アンクルさんは3月10日しか知らないだろうけど、4月にも5月にも大空襲はあったのよ」
調べて見た。
4月13日、15日、5月24日、25日に大規模な空襲があったのだ。
忘れることができない記憶がある。
生命を脅かされる。それも短期間に何度も。
壮絶の体験をしてきた人たちも寿命が尽きようとしている。
語り手が無くなったときには、歴史の事実として10万人の東京市民が亡くなったとしか記されない。
明日は、東日本大震災から3年目となる。
いまだ福島原発は廃炉に向けて作業中だが、汚染水漏れなど問題山積である。行方不明者の安否も思うようには進んでいない。復興も道半ばである。
人間は大変な想いをして生きている。