久しぶりに銀座に出かけた。
出かけるとき、スイカと小銭入れを見事に忘れていた。
認知症予備軍である。
それでも認知症は今に近いことは忘れると言うことからすれば、わたしはひょっとするとまだ大丈夫である。
銀座は人が多かった。久しぶりの3月中旬の気温に誘われて出てきたのだろう。
わたしの目についたのは、銀座で働く20,30代の女性であった。
しなやかに、3人、4人連れのおばさんを追い越していく。
おばさんは自分のペースで歩く。他人などまったく気にもしていないのである。まあ、これでいいのだとは思うのだが、少しは他人のことを考えろよ、とわたしは思っている。
漱石のことが頭から離れないからである。
漱石の個人主義は、自分を尊重するぐらい、他人を尊重しなければいけないということである。
われわれ、シルバーはとくにそのことを意識しなければいけないと、わたしは思う。
ところがだらけきったおばさんは他人の存在など気にかけていない。
今だから、個人主義の真の意味をわれわれは自問しなければいけないのではないかと、銀座でで思った。