骨折であれば、わたしは自然治癒がふつうであると思っていた。

 ところが医師の説明によれば、高齢者になると、1か月半から2か月間の寝たきり状態になるため、床ずれ、筋肉の減退、さらに心筋梗塞などの合併症を併発する確率が高まるそうである。

 骨折部位の痛みをなくし、より早く寝たきりをを防止し、普通の暮らしに戻すのが最近の医療の高齢者に対する基本的な考え方であるそうな。

 わたしはシルバーになってしまったが、手術なるものの経験はない。

 そこで、本人には医師から説明してあるとは聞いていたが、本人のベッドに行き、意思からの説明のポイントを明快に説明した。

 わたしは人間は動物であると思っているので、自分の足で動けることこそ人間の最重要命題であると考えている。

 

 娘さんは手術の同意書にサインした。

 それにしても今日も寒かった。

 高齢者に対する医療支援は常に最先端を走っている。

 その医療技術をもってすれば、多くの高齢者の生命は救われる。

 手術の後はリハビリが重要になる。

 その説明を聞き少し安心した。

 医療で救われた高齢者が、生きることに楽しみをもってくれたらいいのだが、と思わずつぶやいてしまった。