久しぶりに単行本を手にした。

 この単行本は光文社から2013年12月20日に刊行された。

 作者のことは何も知らなかった。

 リアスの子とはリアス式海岸を故郷にしている少年少女のことかとタイトルから想像した。

 単行本のテーマは宮城県の海岸に位置する5年目を迎え,新3年生の担任になる中学の男性教師とその教え子、つまりリアスの子との関係を濃密に描き出した佳作であった。

 教育空間には問題生徒が存在することにより、教育とは、教師とは、生徒の人格とは何かと問いかけられることが可能になる。

 この単行本の作者は中学の現場で教師経験をしていただけに、問題生徒(転校してきた女子生徒。服装、態度に指導が必要になる)を扱う教師たちの連携、リアスの子たちの転校生へのまなざし、どの人間にも異物的人間を見る観方ではなく、人間を見る観方が主流を占めている。

 陸上長距離走のクラブ活動で問題女生徒は能力発揮する。

 問題を一つずつ不器用に解決しながら信頼関係を築き上げる教師とリアスの子ら。

 わたしの好きな人間ばかりが出てくる小説であった。