本書は中公新書として2006年12月20日に刊行された。

 ここのところ、1331年の『徒然草』と「明治の日本語、漱石の日本語」といった世界に浸っているため、本書を読むに至った。

 本書の構成は、

 序章 「国語」を話すということ

 1章 国民国家日本と「国語」・国語学

 2章 植民地と「国語」・国語学

 3章 帝国日本と「日本語」・日本語学

 4章 帝国崩壊と「国語」・「日本語」

 5章 「国語」の傷跡ー大韓民国の場合

 終章 回帰する「国語」

 である。

 わたしは、明治創業期の日本語の変遷を知りたかったのだが、目次に示されているように大東亜共栄圏を目指したころの話が中心であった。

 筆者の若さゆえか、資料が限られており、次回を期待した。

 それでも、このような本を読むと、いろいろな空想に心を遊ばせることができる。

 わたしは吉田兼好の美と生き方を極める本が出ないかと思ったし、

漱石の日本語がこれからの人々に受け継がれるのではないかとも思った。

 高校時代まで国語を習い、いまはわけのわからない外来語やIT用語に悩ませられているが、一本芯のある美しい日本語に巡り合いたいものである。