ベランダから通りを眺めるのは好きである。

 多くは老婦人や老紳士がゆったりとした足取りで歩を刻んでいる。

 昼間は温かいと老婦人と老紳士が目につく。

 ところが、若い娘が猛スピードで道路の右側端を駅に向かい自転車を走らせていた。

 交番が30メートル手前にあるのにもかかわらず。

 視界から自転車が消えて数秒後に、左側端を走ってきた自転車が3台交番に向けて走り去った。

 あの交通法規を踏みにじった自転車は交通法規を順守している自転車3台とすれ違ったことになる。

 わたしの常識は自転車は車道の左側端を走るである。

 わたしがそのとおり走っていても、真向いから自転車が来ることがある。

 昼の光景はこのひずむ人間がいる社会を生き抜くことの困難さを感じるものであった。