15日は大阪肥後橋のビジネスホテルを午前10時にチェックアウト。

 午後12時までの時間をつぶさなければならない。

 雨の中、喫茶店を探した。

 ビジネスマンが多いので手ごろな喫茶店はあるのだが、広い喫茶店が見つからない。

 地下に下り、ようやく20席ほどある喫茶店を探し当てた。

 持参した柏井壽さんの『京都 冬のぬくもり』を読みふけった。食べ物の話なのだが、ビジネスホテルの朝食はバイキングだったのでお腹は満杯状態。京都には行けないしと思いながら読み進めた。

 200ページを超えたところでタイムアップ。

 12時から開催される友人の陶芸展に駆け付けた。

 「よう、よう」と言い合って再会を喜び合い、観賞。

 友人の作品は二ついただいている。

 小鉢と花挿しである。5年前である。

 うまい。典雅な作品がずらりと展示されていた。

 本人曰く「自然柚の焼き締めが好き」ということもあり、この好みがわたしをファンにしてくれているのだ。

 友人のサービス精神は旺盛で、続々と駆け付ける友人知人に作品を紹介して回り、帰る人とはツーショット。わたしも撮られてしまった。

 さて、雨も止んだ。

 まず、昼飯はお好み焼きと決めていたので、梅田に出た。

 地下街を徘徊して、ようやくお好み焼き店を見つけた。

 その店のマスターがわたしと同年配であった。

 43、44年前に大阪で勤務し、独身寮のあった近くにお好み焼き屋があり、その味が忘れられずに食べに寄ったと話すと、

 「お客さん、うちの店に来てよかった。ねぎ焼のすじにしなさい。うまいよ」

 と、言ってくれた。

 お奨めに従った。

 食べた。うまかった。大正解。

 すっかり打ち解け、延々とお互いの身の上話を話し、最後は年齢まで自己紹介し、次回の再会を約束して別れた。

 お店の名前は「五菜」である。

 さて、食べたらウォーキングである。

 5時まで歩き、新梅田商店街を見つけ出す。

 よさそうな飲み屋を探す。

 サラリーマンではなさそうな30代の男の人が入った店がある。

 魚料理「丸」と店名が書かれていた。

 入った。

 おいしい刺身と関東では食べられないおでんの店であった。

 カウンターの中には包丁を使う男性と気さくな女性が二人いた。

 わたしは女性におでんだねの話を振り、すっかりこの店が好きになった。

 初老の老人の他愛ない質問を嫌がることなく聞き、丁寧に説明してくれる優しさに惚れたのである。

 わずか1時間のお店であったが、行きつけの店ができたと思った。

 大阪はホンマにおもろい街であると思った。

 しかし、神戸の友人が言うように「梅田の地下街はほんまわからへん」は当たっていると思う。