ぐっすり眠っていたはずである。
枕元に置いた携帯がメール音を鳴らしていた。
起きてしまった。
谷根千を案内した友人からのメールであった。
寝ぼけて読むよりはすっきり読みたいと思っていたのでいま読んだ。
数か月会わないと、人間には変化があるものだ、と思った。
わたしは、健康、体調、心理状況など何の変化も感じていない。
つまり、父母はもう亡くなっているし、姉とはしょっちゅうあっているのでお互い変化は感じていない。
ところが友人の親戚に変化があったようである。
姉上が体調を崩し、叔母上が要介護状態になったというのである。
親しい人たちが普通の生活を送っていないことがわかると、一時的に混乱する。その状態を確認することにより落ち着いたり、さらに混乱する。
こうしてメールを送ってきたのだから落ち着いた状態にあるとわたしは判断した。
というのは、わたしはそろそろ友人からメールが来ると思っていたからである。
秋になったら地下鉄森下駅から門前仲町、月島まで案内する約束をしていたのである。
芭蕉の史跡を巡り、泥鰌を食べ、もんじゃ焼きを食べる江戸めぐりである。
友人の意図は不明だが、わたしは約束は実行する人間である。
わたしは、返信をいまメールし終えた。