本書は祥伝社文庫から平成24年9月10日に発行された。
『取次屋栄三』シリーズの7弾目にあたる。
筆致が益々冴え、取次屋栄三が活躍する。
本書には、
第一話 鬼瓦
第二話 女難剣難
第三話 おっ母さん
第四話 浮かぶ瀬
が収録されている。
鬼瓦は、商人夫婦の再生、女難剣難と浮かぶ瀬は社会の嫌われ者の再生、おっ母さんは孤児だった人間が母を感じるストーリーである。
どれを読んでも、自分には出来ないことであるが、筆者はためらうことなく話を納めてしまう。
それが、心に落ちるのだが、主人公と主人公の剣友は向かい合うと相手より強い。
強ければ、向かい合えば相手を物理力で押さえつけることができる。
最後は無法者が物理力に屈するわけだが、この構図はやはり古いのかとも思う。
ただ、社会は、無法者であっても自分の心がまっとうなことを望みさえすれば、社会は受け止めると、作者は信念を持っている。