『若の恋 取次屋栄三3』(祥伝社文庫)の書評者が、なんと京都地検の女であった。
書評は、普通は時代小説評論家が書くのだろうが、本書は名取裕子さんが筆をとられた。
書評は「あたしゃ益々惚れちまったよぉ」と、勢いのよいタイトルが付けられていた。
著者の岡本さとるさんは、脚本家、演出家でもあるため、名取さんは仕事の関係で付き合いを持ったようである。
書評の最初で名取さんは岡本さんを
1.博学で穏やか、自分より2歳年下。
2.演出家としては優しく、忍耐強い人。
3.世の中の不条理にふつふつと怒りを持っている人。
しかもユーモアがある、と披露している。
この書評は、岡本さんが名取さんを指名したようだが、名取さんへの以来の仕方がまたいい。
三択あり、
1.喜んで引き受ける。
2.いやいや引き受ける。
3.さとる可愛さに引き受ける。
依頼した岡本さんの人間性と受けた名取さん人間性が絶妙に絡み合っている。
名取さんはきちんと本書収録の辻斬り、人形の神様、若の恋、浅茅ヶ原の決闘を読み解いている。
このような遊び心のある著者と名取さんの関係を知り、わたしは岡本さとるさんが益々身近に感じてしまった。