観ようと思っていた映画がいまテレビで終わった。

 高倉健さん主演の『あなたへ』である。

 わたしは、北海道の犯罪者にした高倉健さんが好きになれなかった。

 北海道は、わたしはアイヌ民族の領土であったと思っている。いまの日本の都合で日本にしてしまったと、わたしは考えている。

 沖縄も同様である。

 

 『あなたへ』は富山県を舞台にした晩婚の夫婦の物語である。

 わたしから見て名優が多数出演していた。

 いまの歌謡曲が衰退になったのは、ワンマンショウが無くなってからだと思っているが、この映画も高倉健と田中裕子だけで十分成り立つと思うがさまざまな人気者を起用している。

 

 にもかかわらず、この映画はよかった。

 晩婚の夫婦がそのうちの一人が死んだらどうするのか、生き残った人間はどうするのかという行動の映画である。

 テーマは「散骨」である。

 平戸で生まれ育った妻が死ぬ間際に,NPO法人に遺書を託す。

 夫には自分の骨は生まれた海に散骨してくれ、と個人の意思が届く。10日以内に平戸で次の手紙を見てくれ、というもの。

 妻を深く愛していた夫は妻のため富山から平戸に、妻と仕事を辞めたらキャンピングカーで日本を旅行しようと約束して改造していたワンボックスカーで富山を出発する。

 なんと、建さんが運転するのである。1200から1300キロの距離を、亡くなった妻とともに行くのである。

 車上荒らしの男、イカメシ売りと旅行途上に会う。刑務官である主人公は無口であるが魅力的な人間を建さんは演じる。

 平戸に着き、散骨のための出港を漁師から拒否されるが、イカメシ売りの人間に紹介された人間を訪ね、ようやく妻との約束を果たす。

 わたしは、高倉健さんの映画はかなり見ているが良さはピンとこなかった。

 しかしこの映画で愛する女性を失った初老男性、日常の付き合いの礼儀正しさに、それを表現する言葉、表情、動作、つまり演技に健さんの深さを感じた。

 わたしも散骨志望であるが、肉親は姉しかいない。姉には頼んでいるが、もっと具体的に言っておかねばならないと思った。

 わたしは、結婚はいちばん深い人間関係を作る行為だと思っているが、そうなったとしても、個人はあくまで個人にしか過ぎない。

 健さんも裕子さんの散骨を平戸沖との願いを手紙でしたことに疑問を思う。しかし、男は黙ってすることはするのである。しかし残された方はどうすればいいのだろうか。

 健さんの演技はよかった。ぜひ、三国さんが生涯映画俳優として生きたように生きてもらいたい。