2002年9月20日に光文社新書として刊行された。

 柏井さんとはもっと前に出会いたかった、と思わせるような気分にさせてくれた。 

 柏井さんは、「京」はブランドであり、そのブランドが京都では観光客相手にとんでもない誤解を作っていると警告している。

 いまは「おばんざい」は京料理の定番と言っても差し支えないが、このおばんざいが曲者なのである、と柏井さんは断言する。

 なぜか、おばんざいは、番菜、つまり京都の家庭料理なのである。

 その家庭料理を商売としてお客様に出すなどの文化は京都にはない、と筆者は言い切る。

 おばんざいは京都の家庭料理だと思って食べればいいのである。


 では、京料理とはなんなのか。

 筆者は、有職料理(精進料理、茶懐石)、伝来(卓袱料理)が京料理と定義する。つまり、有職料理、精進料理、懐石料理、伝来料理に淵源があるとしたうえで、現在を考えるわけである。

 かなり、現在に重きを置いた思考方法なので納得はしたくないが、筆者の考えなので仕方がない。

 そして、料亭料理、割烹料理などいろいろと、体験から論証する。

 そしてなぜか、中華そば、焼売、日本そば、ふわふわとろとろのオムライス、はてはハンバーグまで紹介する。

 京都にいると感じたい、なにかを感じられれば、それが京料理なのだと筆者は言っているように感じた。

 ただ、筆者は京料理は日本料理、和食であると考えている。

 最終章で、筆者は3人の店を紹介している。その3人の店には京料理があるのではないか。

 京都人が言っているのだからまちがいない。