本書にはサブタイトルがついている。

 『ビブリオバトル 本を知り人を知る書評ゲーム』。

 サブタイトルがなければ、わたしは本書を素通りしていただろう。

 文春新書901として2013年4月20日に刊行された。

 筆者の谷口さんは立命館大学情報理工学部知能情報学科准教授で、ビブリオバトルの考案者である。

ビブリオとは「本」の意味である。

【公式ルール】 たったこれだけのルールで,遊べば読書がスポーツに変わる!本を読むのが楽しくなる!いろんな本に巡り会えて,どんどん世界が広がる!

  1. 発表参加者が読んで面白いと思った本を持って集まる.
  2. 順番に一人5分間で本を紹介する.
  3. それぞれの発表の後に参加者全員でその発表に関するディスカッションを2~3分行う.
  4. 全ての発表が終了した後に「どの本が一番読みたくなったか?」を基準とした投票を参加者全員で行い,最多票を集めたものを『チャンプ本』とする.




 また,紹介の際にはシンプルに本とカウントダウンタイマーだけ.あとは,ライブでアドリブで本について語ります.レジュメは準備せず,パワーポイントなども利用せず,生の語りで紹介しましょう~!
 
 以上がゲームのルールである。
 司会者は進行に責任を負い、発表者は発表のときに初めて参加者に本を提示するわけである。
 発表順はあらかじめ決めておき、司会者が進行するわけである。
 ゲームに必須なことは、
 1.場所
 2.カウントダウンタイマー
 である。
 ゲームでは公式ルールは遵守することが求められるが、例えば、夏目漱石の作品に絞るとか、石ノ森章太郎でも構わないらしい。
 発表者は5分と言う時間はきちんと発言しなければならいが、重要である。初めは5分は長く感じるが、そのうち適当な時間であることに気付くようである。
 ビブリオゲームを考案した谷口さんは本を通してコミュニケーション能力の向上、発表者の人間性への理解を増すだろうと考えておられる。
 本書には例示として研究室で5人の発表者がお気に入りの本を紹介する様子が生き生きと描かれている。そこだけ読むだけでビブリオゲームの面白さが伝わってくる。
 自分がどれぐらい紹介本を愛し理解しているのか、その想いは他者に伝わったのか、えー見かけによらずこの人はこんな本を読んでいるのか、と自らを知り、他者を知る発見の場となるようだ。
 機会があれば、自分もやってみたくなる本であった。