姉の建築も、高齢者が住みやすいことを念頭にハウスメーカーの営業さんと設計師さんと話し合ってきた。

 高齢者はいずれ、車いすになる可能性がある。そこまで考えて設計してもらいたいが姉の要望である。

 それがどうも受け止めてもらえず、見栄えで設計しているがわたしの不満でもあったわけである。

 玄関のアプローチも階段にしているし、物干しに対する配慮もなかった。高齢者住宅の内部にのみ、バリアフリーをうたっているわけである。

 つまり、30代、40代の人間が住むことを前提に設計しているのである。

 わたしは、その設計に住む人間の年齢を全く考えない危険を感じていたし、姉も感じていた。

 姉は、「営業さんも設計師さんも熱意も誠意も感じられない」と、煮詰まっていたプロセスで営業さんに言った。

 そこを乗り越えて、今日が請負契約前の話し合いを持つことにしたが、これはハウスメーカーからの申し出である。

 相手のペースで商談は進んでいるのである。

 姉は疲れ切り、もうこの値段でもいいと言ったが、わたしはまだ値段交渉はする必要があると言った。

 言った以上は責任を果たすべく、わたしは午後8時からの交渉に立ち合うことにした。

 わたしは営業さんとはこれで4度目のご対面である。

 この日、最終的な見積もりが提示された。

 いろいろと値引きはされていたが、わたしの勉強した建て坪単価からすると高い。

 それゆえ出精値引きをお願いした。

 結果はわたしが考えていた値段以上の値引きが実現した。

 値引き交渉など、もう10年していない。

 つくづく、値段とは会ってなきがごとしだと思ったしだいだが、納得した材料で建ててくれればいい、その確認は都度していけばいいと考えている。