東日本大震災をきちんと追いかけているマスコミはNHKだけである。今日も「写経の中の苦しみ」をテーマに奈良薬師寺の僧侶の行動を丹念になぞっていた。
僧籍にあるものは「覚悟」をもって自らの生を生きようとしても、その覚悟を震災、原発で家族を失った被災者、いまだ仮設住宅に縛りつけられている方々に、言うことができない。
つまり、被災者はあまりにも重い経験を課せられてしまっているのである。
仏教の教えでは導きえない人々が被災者の数だけいるのである。
写経で救われた被災者がいるかと思えば、いまだ救われない方もいる。
薬師寺僧侶、大谷氏は「覚悟」をもって東北と向き合うことこそ、いまの事態を突破できるとようやく考え着いたが、それすら被災者と向き合うと無力を感じる時がある。
わたしは、自らの職業に「覚悟」を課し、生きようとしている善なる人がこの日本にはいることを、力強く思った。