京都祇園と言えば、舞妓さん、芸妓さんが住む花街。

 その花街が五つもあることが分かった。

 わたしは、歌で有名になった先斗町、祇園甲部が祇園のすべてで

 あると思っていた。

 ところが、祇園東、宮川町、上七軒と、行ったことのない花街が三

か所もあったのである。

 祇園東は八坂神社を背にして右側に、宮川町は祇園甲部のすぐ

 近くにあり、上七軒は北野天満宮の近くに位置しているらしい。

 表面的にしかガイドブックを眺めていかない癖が、裏目に出てい

た。

 分かっていれば、昨年少なくとも祇園東と宮川町を訪ねることがで

きたはずである。

 つまり、あるテーマを決めてそのすべてを観光しようとするならば、

きちんと情報を収集しなければいけないのである。

 このことを教えてくれたのが『京都 舞妓と芸妓の奥座敷』。

 相原恭子さん筆で、文春文庫の一冊として平成13年10月20日に発

行されたものである。


 花街の歴史からはじまり、花街の人間関係、花街のしきたりなどが

解説されており、ああなるほどと興味を掻き立てられながら読むこと ができた。


 「一見さん、お断り」は京都の文化だと思っていたのだが、花街の

成り立ちと運営の仕方、つまり花街文化を維持するための知恵から 生まれたものだと理解できた。

 排他主義の典型で、いやな文化だと思っていたが、花街組織の成

立、運用から出てきた考え方であると理解できたので、京都を見る 目が変わるであろうと思った。