昨日、吉祥寺にある井之頭公園でデートをした。

 3年ぶりに、好きな女性と会った。

 高校生のころから井之頭公園はわたしにとって女の子とデートをする場所である。


 何をするのか。ボートに乗るのである。

 狭い池を1時間漕ぐだけである。

 波はないので、力強さはいらない。

 ひたすら、他人のボートに接触しないように漕げばいいだけだ。

 5分漕いで10分お話しする。

 これは昔とまったく変わらない。

 ただ、寒い冬にわざわざボートに乗ったことはなかった。

 冬には、池の周りを手をつなぎながら歩き回ればよかったのだ。

 読んだ本の話をしながらお互いに盛り上がる。

 高校のときは、石坂洋次郎、ジイド、白樺派の作品が話題に上った。


 この日は、話題は近況のみ。

 働いている彼女からは給料が下がった、仕事の単価が下げられている、人間関係がギスギスしている、と明るい話題ではなかった。

 それでも、現在の状況で自分がやれることをしっかり考えて行動していると力強く話してくれた。


 早めの夕食を近くの焼き鳥屋に入り摂った。

 この焼き鳥屋は大学からいまにいたるまで必ず入る店である。

 ビールを頼み、焼き鳥を頼む。

 飲むほどに、酔う。

 

 話題は、これからどんなことをしたいかになって、お互いの計画を語り合った。

 彼女は、沖縄に行きたいと言った。この寒さなら沖縄だな、と答える。今年の夏は沖縄に行こうとなった。


  おいしいビールになった。帰りも遅くなった。

  井之頭公園でボートに乗ったカップルは必ず別れると言われている。それが怖い。