4回目でようやくサブタイトルが「宮澤賢治の春と修羅」と、読み取れた。つまり、今回の主役は『春と修羅』(関根書店、大正13年初版)である。初版本のタイトルには[詩集]と刷り込まれている。

 この本の所有者、玉岡聡子が、栞子に本の査定を依頼する。聡子は亡くなった父親から自宅と本を相続する。聡子は自宅を処分し引っ越すわけだが、そのほんの一部を手離す決心をする。そこで、ビブリア古書堂の栞子に査定を依頼する。

 そのときに、2冊あった詩集『春と修羅』のうちの状態のよくない1冊が盗まれたことを栞子に告げ、探してほしいと依頼する。

 聡子は盗んだのは、兄か姉だと訴える。

 その情報をもとに、栞子と大輔が捜査を開始するわけだが、兄も姉も本の価値はまるで分らない人間。

 たどり着いたのは姉の息子が盗んだことが明らかになる。

 実は盗まれた『春と修羅』は宮澤賢治がいずれ、大幅に改定するために自筆で書き込みをしていた手入れ本であった。

 亡くなった玉岡氏には本好きの娘と孫に託す思いがあったのだ。

 栞子は、卓抜した想像力と人間観察力を駆使して、その謎を解き明かし、聡子に従姉弟との関係改善を迫り、問題解決にこぎつける。


 冷静かつ的確に問題の核心に迫る栞子、剛力彩芽さんの無表情の中に知的に輝く瞳の深さに、今回も引き込まれた。

 大輔さんの栞子に聞く態度も、このドラマを引き立てている。

 いずれ、困っている人間を助けないといられない大輔さんが栞子を助ける時が来ることを予感させる4回でもあった。