アンクルのブログ


この本は関川夏央さんの随筆集である。

2012年11月25日に小学館から発行された。

週刊ポストに連載されていたものに加筆・修正し上梓された。


あとがきにすべてが述べられている。

「1950年代に育ち、60年代に青年になりかけ、70年代にようやく人となって、80年代に職業人として定着したものがみなそうであるように、成長の段階ごとに色合いの異なる時代の風に吹かれてきた。その影響は、あまり認めたくないが、思いのほか深かった。虎の縞は洗っても落ちないということだ。後略」

筆者は、団塊の世代のラストランナーである。昭和22年、23年、24年生まれが団塊の世代と言われているが、筆者は昭和24年生まれである。


憂国の情を交えて、北朝鮮、三島由紀夫、3・11のことを淡々と語る。

同世代なので、語り口がすんなり呑み込める。

とくに、岩谷時子さん、藤沢周平さんの『三屋清左衛門残日録』、中流階層の没落に関する語りは胸を打たれる。


筆者は「郷愁に先立たれた記述も少なくない。それは私的記憶を「歴史化」したい一環なのだが、若い世代に「自慢」と受けとられるかも。やむを得ないことながら、やはり残念である。」と本音を言っている。


説教臭くなく、ある時代の私的体験をさらっと述べているので、読めば、面白さが伝わってくる一冊であると、わたしは思った。