わたしの過去は、わたし自身の頭の中では、はっきりとしている。

 その過去から学んだことを活かしながら、今日まで何とか生きてきた。


 わたしの前には、80代、90代のお年寄りがたくさんいる。

 わたしの未来は、お年寄りの今を見ることで、おぼろげにわかる。


 人間は死ぬ。

 このことは、わたしが20代、30代、40代、50代でも考えにはあった。

 このころは、死は生きるための力になっていた。

 人間は死ぬのだから、生きている今を自分らしさを考えて生きようと。

 目の前には、仕事があった。その仕事で自分を実現しようと、前向きに考える  

 ことができたのである。


 60代になって、死はずっと先にあるわけではないと自覚した。


 骨は海に散骨とした。

 にもかかわらず、いまとその先については頭の中は、まっ白なのである。

 ああいう生き方はいやだなあ、こういう生き方はちょっと。

 そのうちいいことがある人生ではない。どんどん悪くなる。

 実現したい夢がないのである。


 この空白の人生を、どう生きるかがこれからのわたしの課題であるかな。