この人の存在感は、際立っている。
 『つるかめ助産院』の助産師としての存在感は、その生き様の壮絶さ、つまり自分の両親の無理心中から、自分だけ生き残ってしまった、その重さを抱きつつ、新しい命と向き合う、その繰り返しの中で、相手を励ます、力づける。自分の人生に重さを抱きながら、明日を観ることができる女性を見事に演じ切る。
 『おくりびと』は主演、本木雅弘、山崎努だったが、余さんは、自分の子供とは絆を切られながら、じっと悲しさを胸に秘めながら納棺師事務所で働く女性を演じた。
 その余の生き方が、本木の心を掬い取り、本木を.父親のもとに向かわせる力になる。

 余さんのこの演技力は、人間力から生まれてくる、と思われる。