企業社会小説である。
 ロケットエンジンの研究者であった佃は、自らが開発した宇宙ロケットの打ち上げで失敗する。
 夢破れた佃は、父親が創業した精密機械製作会社の跡を継ぐ。
 彼には、次々に試練が襲い掛かってくる。
 お得意様からは、不況のため、いままで佃に出していた業務を内製にすると断りの話がである。
 10億円の減収にさらされる。
 ついで、佃が持っている特許のある部分が大企業の特許鵜を侵害していると訴えられる。
 佃のもとにある大企業から特許買取の話が来る。
 資金繰りに悩む佃だったが、その話を断る。
 特許侵害問題も和解に至り、佃の特許を欲しがった大企業から特許の使用を申し入れてきた。
 宇宙飛行士を夢にした佃の真骨頂がここから再度、ロケットエンジン開発へと動き始める。

 会社経営という現実と自己の夢への実現と、相反する命題に立ち向かう佃。
 
 人間は、いろいろな人間がいるからこそ自分を生かし、人も生きられることを証明しようとする
 作品であった。