わたしの人生訓である。
 松川事件のことを知りたくて、大学生の時に広津和郎の著作物を読んだ。
 広津さんは、散文精神と、みだりに悲観もせず、楽観もせず、生きとおす散文精神を語っていた。権力側から盛れば、松川事件の被告は有罪にならなければならない。そのなかで、無罪を確信していた広津は無罪に向けて様々な活動をしてきた。その活動の中から、散文精神は生まれてきたのではないか。
 結果を悲観しすぎても、楽観しすぎてもいけない。生き抜く精神こそ人間にとって大切なことだと、広津は教えてくれた。
 いまも、人生で、自分にしか問題にならない重さがときたま押しかかる。めげたり、ぬか喜びすることがある。そんなとき、
 「みだりに悲観もせず、楽観もしない、散文精神」がわたしを助けてくれている。