こんにちは、元スタッフT(男)です。
6月ももう終わりますね。
僕の住む地域では夏に向けて草刈りも終わり、エネルギッシュな緑とむき出しの地肌にどこか無防備な若々しさを感じさせられます。
皆様はいかがお過ごしでしょうか。
僕は現在大学院に進学し、臨床から少し離れたところにいます。
6月24日に東京国際フォーラムで血液専門医試験を受けてきました。
昨年の血液学会が開催された場所なので懐かしい気持ちに...
今回は208人の受験者数で、若い(?)血液内科医の同志がこんなにもいたかと嬉しくなります。
血液内科医不足は「血液病レジデントマニュアル」の序文で天然記念物のトキに例えられているほどで、新たに専門医が増えることでより良い医療環境へ繋がるはずです。
世の受験生は試験をうけるにあたり傾向と対策を練り勉強をしっかりと行うべきですが、僕はというと先輩方からの情報と血液専門医テキストに付属している問題から
これまでの臨床経験だけで何とかなるだろうと愚かにも余裕をかましていました。
しかし、超難問が多いと予想していたT先生の記事(参照)を前日に読んでしまったがため動揺し、手をつけていなかった問題集を直前に解きはじめるという受験業界ではタブーとされている行動に出てしまいました...
大きな時計と受験番号(恒例のようにギリギリに願書提出したのに意外に若い番号)
実際には、昨年の影響を受けてか今年は易化している印象で、前日に焦らず落ち着いて疾患一つ一つを復習していれば思い出せそうで思い出せないという寸止めの苦しみを味わなかったのに、と今では思っています。
問題数は80問(文章問題: 59、形態問題: 21)で、T先生の予想問題はかなり的中していました。来年も是非当てて頂きましょう!
形態や症候など先人達の知見による年月を経ても変わらない概念から、イブルチニブの副作用(出血)など新規薬剤について、さらには国際化する情勢を表すかのようなマラリア、鎌状赤血球症など時事(?)問題まで幅広く出題されていました。
専門医を輩出するという目的から、コンサルトされやすい赤血球、血栓止血系の問題が多かった気もします(解き慣れていないから印象に残っただけ?)。
侵襲性肺アスペルギルスの急性期画像所見をHalo signとしか覚えていなかったため、出題された所見「リング状の浸潤影とその内側の肺実質に向かうhalo」をreversed halo signと自信をもって選びきれなかった(reversed haloが器質化を示唆する表現とするとhaloの方が良いのかな?)など、見直してみると間違って解答したところもあり悔しい思いをしていますが、迷わず解答できた問題数からして合格はしていると思います(ここまで宣言して落ちてたら、かなり恥ずかしい...)。
専門医試験を通して、これまで臨床を通して学んできたこと、特に飯塚病院での経験から得た知識(連日K先生に叩き込まれた)は確実に身についていることを実感し、自信をつけることもできました。不確実な記憶であった部分は改めて勉強し直し、次に活かしていきたいと思います!
次回受験する若き血液内科の皆様(自分も含まれるか)、来年の6月下旬にT先生の予想問題の記事を楽しみにしましょう。
ちなみに予想結果
× TRALI、TACO関連
○ 妊娠合併ITP(正誤問題の一つの選択肢)
○ AMLの遺伝子異常 (複数問ありました)
○ 白血病の予後不良因子(ALLでしたが..)
P.S 血液専門医受験にはサマリ提出が「白血球系」、「赤血球系」、「血栓・止血系」、「免疫・移植」とそれぞれに必要ですが、「白血球系」はもちろん、経験しにくい「赤血球」、「血栓・止血」の症例を飯塚病院では豊富に経験できます。
来たれ、後期研修医!