こんにちは。血液内科スタッフKです。

来る2月7日から第109回医師国家試験がはじまりますね!受験生の皆さん、準備はいかがでしょうか?

血液内科領域は俗にいう「捨て問」にしている人も多いかもしれません。血液内科は出題数も少ないし、何となく難しいイメージですよね。

そんな「血液内科は捨てた!」って皆さんの点数アップのために、今回から3回にわたって飯塚病院血液内科が総力を結集して(←大げさ)作成した出題予想をお届けしたいと思います!

さてさて、私の担当は悪性リンパ腫なわけですが・・・

毎年数問は必ず出題がありますが、受験生の皆さんが特に取っつきにくいのはスメア問題と病理問題ではないでしょうか。

平成25年度版医師国家試験出題基準によりますと、国家試験で出題されうる悪性リンパ腫は、
Hodgkinリンパ腫(HL)、CLL/SLL、濾胞性リンパ腫(FL)、びまん性大細胞型リンパ腫(DLBCL)、Burkittリンパ腫(BL)、MALTリンパ腫、成人T細胞性白血病/リンパ腫(ATLL)、末梢T細胞性リンパ腫(PTCL)、菌状息肉症(MF)、Sezary症候群、小児悪性リンパ腫
上記11種類になります(類縁疾患は除外しました)。

出題者の立場から分析すると、この中から
スメアで出題できるもの→△CLL/SLL、△BL、◎ATLL、×それ以外
病理で出題できるもの◎HL○FL△DLBCL、○BL、×それ以外
(出題しやすさ: ◎>○>△>×)

こんな感じになります(赤字は第98回以降で実際に出題があったもの)。△~×のスメア・病理診断は専門医でも難しいことがあり、医学生に問う可能性は低いです。△をつけたCLL/SLLのスメアは97回以降出題がなく、DLBCLは某問題集では不適切問題になっています。

というわけで予想ですが、過去10年以上出題はありませんが、ここは大胆に「今年はそろそろBurkittリンパ腫が来る!」と予想させていただきます。

病理のポイントですが、

Burkitt病理

特徴的な病理所見です。腫瘍細胞(紫)の夜空を背景に組織球(白)が星のように抜けて見えるStarry sky像をとります。右下は拡大図です。

もう一つのポイントですが、染色体異常も出題しやすいです。第108回では染色体検査のみで濾胞性リンパ腫の診断を問う問題が出題されており(難しすぎでは・・・?)、Burkittリンパ腫がターゲットになってもおかしくはありません。

8番染色体にc-mycというBurkittリンパ腫に関連した遺伝子があり、8番染色体と14番染色体の転座t(8;14)が特徴的です。専門的には14番以外もあるのですが、国試レベルではないでしょう。もう一つ、急性骨髄性白血病でも8番染色体(遺伝子は別です)と21番染色体の転座がありますので、そちらと混同しないようにしてください。

というわけで、「Burkittリンパ腫と言えばStarry sky像とt(8;14)」。当たるも八卦、当たらぬも八卦ですが、お守り代わりに頭の片隅に入れて、試験頑張ってくださいね!