こんにちは。

先日、神戸の大学の経済学部ゼミ生を相手に話をする機会があり、9月末期限切れのアカシアハチミツと、ドラム缶で輸入した新しいアカシアハチミツとを食べ比べしてもらいました。私自身もこの時まで食べ比べをしたことがなく、食べ比べの狙いは「賞味期限切れになってもおいしく食べれるでしょ」--という体験をしてもらうことにありました。しかし、驚いたことに、両者の味には明確な違いがあり、しかも期限切れの方がまろやかなのでした。

写真は大学の教室で食べてもらっているところ。右側が9月末賞味期限のアカシアハチミツ、左側が新しいアカシアハチミツです。

ゼミで話をする機会を得たのは、知人を通じてゼミの教授と知り合い、「コラボレーションで何かをしよう」と提案されたためです。で、初回のこの日は、弊社La Baratの「初めと今後について」というべたなタイトルで、5年半前に長年勤めた会社を希望退職してハンガリーワインとハチミツの輸入を始めたいきさつと、現在の販売状況や今後の方針について話をしました。その後、ゼミ生全員から質問や意見をいただけるとのことで、質問などを考えてもらう間に試食タイムを設けていただいたのです。

写真奥の方に学生さんが見えます。パソコン教室でしたので、1人ひとりの前にパソコンが置かれていました。

で、出だしにも記したとおり、食べ比べてもらうと、学生からは「こっちの方がおいしい」「この新しいのはぴりっとくる」「期限切れの方が甘く感じる」といった、明確な差異を指摘する声が相次いだのです。

私自身はさほど変わらないものと思っていたので、食べ比べをしたことがなかったのですが、少しだけ舐めたところ、学生らの反応が理解できました。明らかに違ったのです。

そしてその違いは、「一方がダメ」という違いではなく、好みによって「よりおいしいハチミツ」が分かれる違いだったのです。ざっとした印象ですが、6対4です。6が新しいの、4が賞味期限切れの支持者です。

つまり、ほぼ互角だったのですが、それは納得できる結果でした。賞味期限切れの方がまろやかで、ハチミツらしい味があったからです。翌日に食べてもらった知人は、「ハンガリーの老農婦の顔が思い浮かぶ」という独特の表現をされて、期限切れを支持しました。

 

上の写真の左と右の色を見比べていただければわかると思いますが、左の新しい方がより薄い色をしています。右側の賞味期限切れのも最初はこんな感じだったと思います。そして、初めて透明なハチミツをなめた時の印象を記すと、「水飴っ??」でした。もちろん、後からじわってハチミツの美味しさが口の中に広がってくるのですが、入りは「水飴そのもの」といった感じだったからです。

それと比べると、今回の新しいアカシアハチミツはもう少し味があるように思います。また、ゼミの教授には「パワフル」と表現していただいたのですが、より新鮮で、自然の強さを感じられるインパクトがあるようです。

では、なぜ賞味期限切れの方が甘みを強く感じ、まろやかに感じるのか。私の感じるところ、それは「熟成」です。

 

このハチミツを採蜜しているハンガリー・パンノンハルマの養蜂家、Nagy Balazsさんは、時間の経過とともにハチミツの糖分が変化して生じるヒドロキシメチルフルフラール(HMF)の量をとても気にしています。EUではこのHMFを重視しているためです。

日本にも時間の経過や加熱によって生じるHMFの量を気にしています。

ただ、ヒドロキシメチルフルフラール(HMF)は、ハチミツに含まれる主な糖の1つであるフルクトースの分解によって形成される成分で、カラメル香を放つ食品成分。つまり、プリンに欠かせないカラメルなのです。

なので、体に悪いわけがありません。

ちなみに、グラニュー糖と上白糖の成分は、ショ糖(蔗糖、しょとう)が主成分で、グルコース(ブドウ糖)とフルクトース(果糖)が結合した二糖類で、はちみつはこの2つ、グルコース(ブドウ糖)とフルクトース(果糖)という単糖類が主成分です。グルコースの割合が高いと結晶化しやすくなります。

 

なので、賞味期限切れも人の好き好きで、「熟成したハチミツ」ととらえられそうな気もします。

 

私、今日この記事を書きながら、両方のハチミツをたんまりと2度にわたって食べ比べてみたのですが、私の好みは新しい方でした。。。

 

いまのところ、期限切れのみ販売中です。10個税込み5000円です。送料はかかりますが、試していただく価値はあると思います。