特別支援学校の中学1年生のある女の子の話(Aさんとします)。
その子は、小学校の頃、不登校で、
中学校は、特別支援学校に入学しました。
よくあるケースなのですが、
中学校から特別支援学校にくる生徒さんは、
自尊心が低い生徒が多いです
劣等感が強い。
自分はダメだ、できない、自信がない
その気持ちがとっても強い子が多いです。
なので、自分のいいとこを発揮できてない子もいます。
そのAさんは、中学部に入ってきた当時、
1年〜3年生が集まる集会での、自己紹介の時、みんなの前で、固まってしまって、しばらく声も出ず、立ちすくむ状態でした。
でも、やっとかっと、私が横から、サポートして、ボソボソということができたという感じでした。
それが最初のスタートでした。
その時は、私、アドラー心理学の「勇気づけ」という言葉も知りませんでした。
「勇気づけ」とは、
結果を評価する、褒めるというより、
その過程や姿勢を評価するということ。
できたときだけとか、こちら(大人や教師)の期待していることを達成したときだけ、評価するのではなく、
達成したときだけでなく、失敗した時も、ありとあらゆる状況で評価する。
アドラーは、
この「勇気づけ」を
困難を克服する活力を与えることだ
と伝えています。
そうなのです。
達成したときだけ、大人の期待している結果を出したときだけ、評価していたのでは、子どもは、
「できた自分」はよくて
「できなかった自分」はだめなんだ
と認識しやすいんです。
日本の教育のあり方が、結果に対しての評価が強い傾向にあるので、そして、できてないことに対して指摘も多いので、日本人の自尊心、自己肯定感が低いのも、納得です。
評価のハードルが高いから、
失敗はだめだと思うから
勇気をたくさんくじれてきているから
なかなか、勇気を出して何かにチャレンジするとかの一歩を出せない人もいる。
力はあるのに、使えないでいる。
できてもできなくても、結果ではなく、プロセス(過程や姿)を見てあげること。
それが、とっても大事で、その子にとって、
自分の力を発揮できるようになっていくのです。
それから、Aさんは、
どんどん変化し、驚くほど、みんなの前で、堂々とスピーチをすることができるようになりました。
あの、入学当時の姿はどこへ???
と、もう、忘れちゃうくらい。自信が戻り、たくさんの変化を見せてくれました。
そう、もともと、Aさんは、その力を持っていたのです。
それを、今までは、出せなかっただけ。
もともと持っている力を、
出せるようになったのですね。
きっと、子どもたちの中にはたくさんいるのではないかなと思うんです。
大人もそうですが。
そもそも持っている力、それぞれあります。
それを使えなくしてしまっている。
もったいないです。
私は、学生時代、陸上をしていて、
指導者や環境で、自分の力を伸び伸びと発揮できた時と、できなかった時の体験をしているので、それがよくわかるのです。
だからこそ、教育現場で、その子が持っている力引き出せるように、という気持ちで、サポートしてきました。
学校、家庭、職場でも同じです。
一人一人、せっかく、力を持っていても、
使えているか、使えていないか。
それは、その環境に、
安心感があるか、信頼関係があるか、
勇気づけをしてくれるような人がいるのと、
いないのとでは、全く違います。
怒ってばかりの上司がいる職場、
ダメ出し(できていないところにフォーカスする)、指摘ばかりする担任のクラス。
そんな環境で、力を発揮できますか??
勇気づけをいつもしてくれる人が上司、担任だったら、どうでしょう。
〇〇してくれてありがとう
〇〇してくれて助かるよ、嬉しいな
だけでも十分です。
いつもそんなふうに言ってくれる人がいるだけで、なんだか、活力湧いてきませんか??
アドラー心理学は、企業にも取り入れられたりしていますが、すごく、職場の雰囲気が良くなるそうです。
私は、教育にぜひ取り入れていただきたい!!
そして、一番大切だなと思うのは、
自分への「勇気づけ」ですね。
人へ勇気づけできるようになるためには、
自分への勇気づけが先!!
自分へ、ダメ出ししているときは、
なかなか人の勇気づけなんてできる余裕はないものです。
なので、まず、自分を勇気づけるってこともやってみるのもいいと思います。
自分への勇気づけ、、また書きますね。
最後まで読んでいただきありがとうございます♡
では、素敵な1日を♡