MRI画像を送ってすぐPETの検査日となった。

検査当日、4時間かけて移動、その間スマホや読書も禁止。

(検査で目に反応が出てしまうとか。)


子供は暇を持て余し移動中寝てしまった。

その県へ近づくと山に桜が咲いているのが見えた。私は冬が嫌いで、毎年桜の季節を待ち侘びる人。でも桜を見るたびに今日を思い出しそうで、桜が嫌いになりそうだった。


B病院到着、PET検査専用待合室に誘導される。

待合室は大人がたくさんいた。

癌の人、検診の人、色々だったかもしれない。

手にテープで溜めるようなボトルのような点滴(名前がわからない)をしてる人は検診ではないと察した。

うちの子にもそれがつけられた。

ここに子供がいる違和感が凄かった。


説明を受け、採血、指に針を刺し血糖を測る。

点滴を打ち、たくさん水を飲むよう持たされ、また待合室に戻る。


やはり目立つ子供の存在。

チラチラと視線を感じた。

子供はテレビを見て笑っている。


「どうしたの?」

「子供なのに大変ね。」

と話しかけられそうで、話しかけられる隙がないように子供とお喋りし続けた。

終わったら焼肉食べようねと話していた。


名前が呼ばれ、子供が

「1人で大丈夫。」

と言った。

重そうな扉の向こうに消えていった子供。

これから3時間検査する。

とても悲しかった。

こんなの見送りたくなかった。

何でこんな検査をしないといけない。

何でこんな事になった。

待合室には私1人になった。


飲食禁止、スマホ禁止。

違う場所に行って何か飲んだりしてもスマホいじったりしても良かったのかもしれない。

でも出来なかった。動けなかった。

子供が何も食べずに頑張っている。


ただテレビの音が流れる。

苦しかった。

悲しかった。

涙が出てきた。

何も写りませんように。


受付に

・今日は先生に会えなそうなので、伝えて欲しい。今後は地元の病院でお世話になろうと思う。

・前回はここで手術したいと言ったが、術後を考えると現実的ではなかった。

・今やってる検査は地元では出来ないと聞いたので、何かあったときの為に画像をいただいて帰りたい。

とお伝えし、先生に伝えてもらい承諾していただいた。


波風立てずに卒業宣言をした。


結果を聞きに来る日までに画像を準備してくださると話してくれた。


ちょうど3時間で

「終わったよ〜。腹減った〜!」

と帰ってきた子供を見て駆け寄った。

PET後はあんま近寄ったらいけないって何かで見たけど関係ない。

思わず肩を抱く。


長かった。

まず今日は終わった。

とりあえず検査中に薬の副作用などが何も起きなくて良かった。


焼肉食べに行こうねと病院をあとにした。


バス停まで歩く間、また桜が目に入った。嫌な気分になった。


1日いっぱい頑張った子供は夢中でゲームをしていた。見て見て!と見せてくるのが、まだまだ子供だなって思った。