ベトナムでのある朝。 | ザクロえびのケセラセラ

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ベトナムで三年間日本語教師従事後帰国、
2017年に20歳離れた年上の日本人の旦那様と結婚し、
ドタバタ結婚生活が始まる。
心の成長を目指す ザクえび の徒然日記。

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朝7時20分。

石の階段をかけ下りる。出勤時間だ。

2重に閉めてある玄関のドアを開け、家の中から自転車出した。

Yシャツに制服の緑のジャンバーを羽織る。

門に鍵をかけ、自転車をこぎ出す。

1月だというのに、 暖かい日差しが、起きたばかりの体をほぐす。

シャンバーのポケットに手を入れると、朝ご飯用ににぎったおにぎりが温かい。

味付けは「のりたま」だ。


学校まで約10分。


交差点でバイク達とタイミングを取るのにも慣れた。

やる気満々で走るバスのとなりを走るのにももう慣れた。

もくもくと吐き出す排気ガスに息を止め、目を細くする。

歩道では鶏が穴を掘っている。

たくさんの木製の鳥かごや、

大量のフランスパンを売っている店、

自転車バイクで二人乗り、三列走行している高校生を追い抜かす。


私の目の前に、かごにぎゅうぎゅうにつめられたアヒル達が現れた。

バイクにゆられ去っていく。

次に鶏ががつめられたバイクがやってきた。

みんな市場へいくのだろう。

次に、茶色い犬がつめられたバイクがやってきた。

重なり合い、入りきらないのか手が檻から出ている。


無性に悲しくなる。


これは、ペットではない。家畜なのだ。

そう思おうとするが、去年亡くなった、うちの犬のことを思いだした。


犬。犬肉。


ベトナム人の友人によると、1940年ごろ、ベトナムは極度の食糧難に陥っていたそうだ。

家一軒が、一週間分の食料と交換されていたとか。


それなら、食べるわ!なんでも食べるわ! と言い聞かした。


 左手を伸ばし、後方に曲がる合図をだす。

向かい側の道路から車が走ってきた。

ヘッドライトをカチカチっとされる。

意味は、『俺が通るから、お前は止まれ。』だ。

土埃で汚れた車が私の髪をなびかした。

そういえば、もう肩までのびたなぁ。

自転車を歩道に乗せ、学校の前で止まる。


「せんせー!おはようございまーす!」学生が挨拶をしてきた。

くすくす笑いながら、屈託のない笑顔で。

今日もまた一日が始まる。

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