簡単☆家庭の味☆揚げ春巻きの作り方

学生のうちへ泊まりに行くことになった。
私が担当していたクラスの優秀な子で（無遅刻無欠席、奨学金ゲット）、もうすぐ出国するのだ。

彼女のうちはチーリン町にある。私が住んでいるハイヅン町からバスで約１時間半。
田舎町だ。

バスに揺られながら、
「トイレが水洗でありますように～。
電気がありますように～。」
と心の中で祈っていた。
以前遊びに行った学生の家は、うちにカラオケの機械はあるものの、トイレは床が斜めになっているだけの部屋だった。
少々汚い話になるが、出した物が自然に外にでるしくみ。部屋に水を溜めたバケツがあり、手桶で流すのだ。
これはどうも苦手で…。

「先生！」
バスの前の方に立っていた学生が私をよんだ。
乗客達が振り向いて私をみる。
「降ります！」
「お、オッケー！」
すみません。と言いながら、人を押しのけバスの外へ飛び降りた。

バシャ！！
大きなみずたまり。…。

「先生、この道路を渡りますよ。」
学生の腕を組んで、往々するバイクを縫うように進むと、市場にでた。

「やあ、トア（学生の名前）さん。」おじさんが声をかけてきた。
「こんにちは、おじさん。」


「ああ、トア。学校かえ？」野菜を売っているおばさんが声をかける。
「はい。こんにちは、おばさん。」

賑わっている市場の中で、彼女の生活が漂ってくる。

「先生、ここです！！」
彼女がいそいそと入って行く。
うちの前には大きな米袋が積んであった。
そう、彼女のうちは農家なのだ。

帰るとすぐに彼女はエプロンをして、裏口に出て行った。
仕事があるようだ。
ついていくと、ぶひ、ぶひ、ぶひーーー！と豚の声が聞こえてくる。
ここは養豚場でもあるようだ。
台所と豚小屋が外にあり、隣接している。
彼女はしゃがみ、豚の餌を用意し始めた。
「何か手伝おうか。」
「いいえ。先生。」
私は、一通り豚を眺めたあと、仕方なくうちの中に入った。


すると、小さい子どもが私をじっと見ている。
「あら、こんにちは。」
私はその子の頭を撫でながら言った。

「こんにちは、おばさん。」
と女の子はもじもじと言った。
おばさん。。。26歳なんだがな。20歳も歳が離れていたら、人称代名詞は『子ども（con）』と『おばさん(co)』で呼び合わないといけないのだ。
まぁ、いいのだが。

トアさんのいとこだそうだ。

よし、私の仕事は子守りだな！
部屋の中に子どもは３人いた。4歳のお姉ちゃん、３歳の弟、気が強い２歳の妹。

しばらくすると、
「先生、今からネムザンを作ります！」
と裏口からトアさんが叫んだ。
『ネムザン』とは揚げ春巻きのことだ。
私の大好物である。
「はい！はい！作ります！」
私の顔が光る。私は今回、ネムザンの作り方を習いに来たと言っても過言ではない。

前回に続いて、今回もベトナム料理の紹介となるが、
今は秋。食欲の秋にはどんな美女も紳士も豪傑も勝てない。

ということで、ここからは、

♪♪＜＜だれでも作れる！本格、家庭の揚げ春巻き！＞＞♪♪

材料
・春巻きの皮
・豚のひき肉
・パクチー（香草 ミントなど）
・ねぎ又はタマネギ
・にんじん
・もやし
・にんにく少々
・春雨
・キクラゲ
・味の素
・だしの素
・卵３つ

１、まずは肉を挽きます。（ひき肉はほとんど売っていないので自分で叩きます。）
２、にんにくと混ぜて、丹念に挽きます。

３、２をボウルに移し、野菜を切ります。
　　パクチーはざっくり３分の１カット。
　　ねぎは細かく切ります。
　　にんじんは、スライサーで細長くスラ   イスします。
　　もやしは手でくしゃと握って細かくします。

４、茹でたキクラゲを細長く切ります。

５、お湯で戻した春雨をざっくざっくと切ります。
　　それをボウルに入れます。
６、卵がのりになります。
　　３ついれ、具をねります。
７、胡椒と味の素、だしのもとを少々加えます。

８、春巻きの皮で巻きます。破かないように注意しましょう。（汁が多めだと破けやすい。）

９、皮がきつね色になるまで揚げます。

それから、揚げ春巻きをつけて食べる、調味料をつくります。
材料
・ヌックマム（ナンプラー）
・砂糖
・水
・唐辛子
・にんにく

１、まず、ナンプラーを少々、丼にいれます。
２、コップ一杯の水にさとうを大さじ三杯ほど、溶かします。それを丼へ。
３、生にんにくを細かく刻み、丼へ。
４、唐辛子の先を少し切って、丼へ。
お好みで胡椒をいれてもOK。
仕上げに、揚げ春巻きははさみで一口サイズに切る。

はい！できあがり！！！
ナンプラーにつけて召し上げれ。

私の個人の意見では、もう少し、具に味付けをした方がおいしい。

それにしても、揚げたてはなんでこんなに美味しいんだろうなぁ。

ngon(ンゴーン)＝おいしい！

ぜひ、ご賞味あれ。

トアさんのいとこ。かわいい子達。

こちらは、子豚たち。