昼 1時になった。お留守番の先生を一人残して学校を外にでた。朝は卵の入ったパンしかたべていなかったので、お腹が減った。外は太陽ギラギラの晴天。暑いから遠くまで行きたくないので、となりのお店に入った。すると、おばちゃん、
「何にする?」
「鶏肉ミートンちょうだい。」
「こんにちは。おじさん。」「こんにちは。かわいこちゃん。」おじさんにも挨拶をした。美人とか、かわいいとかみんなあいさつのように言うのをしっているけど。悪い気はしないよね。
富士山はどうしてあんなに美しいのかという話で、それは、みんなが毎日「綺麗だ。綺麗だ。」と言い続けているからだってきいたことがある。
人だって同じだよね。わたしは肯定的な言葉は素直に受けとるつもりだ。
ひぐちさんも同じものを頼んで、さびて古びたテーブルとプラスチックのイスに座った。
その席にわたしの担当している学生がひとり、もう食べていた。
話かけてみた。
「おいしい?」「はい。おいしいです。」この学生、日本の誰かに似ている。
日本人のように、さっぱりした顔立ちで、いつも口があいていてアホっぽいというとかわいそうだからのほほんとしているという表現を使おう。
「誰かに似ているよね。」「うん。誰だろう。」ひぐちさんも彼を一目みたときから、誰かに似ていると思っていたようだ。「チュートリアルの福田?」「いや違うでしょ!」のほほんくんはきょとんとしている。
初級クラスの子なので、わかる単語で、
「うんとね。あなたの顔は、少し日本人と同じなんです。日本の有名人と似ています。」と説明した。
のほほんくん「そうですか」とにっこり笑った。そのうちにおじさんが、「はい。かわいこちゃん。」といってミートンを持って来てくれた。テーブルの上には出しっぱなしの野菜、ドクダミやパクチーやミント(日本でいう雑草?)あと、変わりダネでバナナの花。これを好きなだけ、スープに入れる。
それから、またまたテーブルの上に置いてある唐辛子やチリソース、ライム、にんにくで自分味をつくっていく。切ってある唐辛子にハエが群がっている。
わたしは、ライムを4つ入れて、少しすっぱくし、唐辛子と、ハーブ類を入れて食べるのがお気に入り。
ミートンを食べ始めて少しすると、のほほんくんが食べ終わって「先生、お先に失礼します。」と帰って行く、
代わりに浅黒いベトナムのおじさんと相席になった。
気にする事無くずるずるとミートンをすすった。だんだん暑くなってきたなぁ。
さっさと食べて、1万5千dを持っておじさんに渡した。
おばさんは片足をあげて、なんだかすごい格好でお客さんとおしゃべりしている。やっぱり、のんびりしているよなぁ。
☆まるでコントな授業☆
:学生「先生、目の中でメガネをかけますか?」
私「(コンタクトのことだな。)コンタクトレンズですね。はい。コンタクトをしていますよ。」
学生「えっ!先生みせて下さい!」
私「どうぞ。(学生に向かって目を大きく見開く。)」
学生「先生。先生のそのメガネ(まだ間違えている。)は、、、、、色メガネですか?」
私「いっ、色メガネ!!!!!!!!!!
…そうですね。先生は色メガネをかけているかもしれません…。」
なんて、言いませんでしたが、学生のこの言葉、
本質を見抜かれた気がして、ドキっとした。。
実際は、「いいえ。色はありません。」と、真面目に答えたのだ。