こんにちは!
第四回はこちらの作品!
ようやく見ました…。ネタバレあります!
『万引き家族』
いや、面白映画でしたねぇ。
是枝ひろかっちゃん(心の中で呼んでる)の作品は
なんちゃらディスタンス?というの以外は全部見ておりますが、
「原案・是枝」が苦手だったんですよね。
静かで展開が緩やかでそれでいてめちゃくちゃ色んな事語っていて……難しいよ!
それで万引き家族も原案是枝だったので敬遠してたんですが、
せっかくブログはじめたし、きっかけに見るか…と重い腰を上げて見てみました。
ということでまず<ログライン>から。
<ログライン>
日雇い労働者の男は息子・祥太と万引きした帰り、少女・ゆりを見つけ、家に連れて帰る。
貧しく、卑しいが優しい人たちに触れ、ゆりも虐待で傷ついた心を癒しながら、家族の一員となっていく。
だが、ついに警察がゆりの捜査をはじめる。
そして、家族の秘密が少しづつ明かされていく。
こんな感じかな~。というか、『万引き家族』のような作品を短くまとめようなんて愚の骨頂ですよね!笑
「万引き」というサスペンスと「傷ついた少女を匿う」という二つの点、
ここがいつもの是枝原案とは違う分かりやすいエンタメ要素かなぁと思います。
とはいえ、そこに含まれた意味は恐ろしく深いものなのです……(適当)。
<オープニングイメージ>
汚い格好の男が息子と思われる少年と万引きをする。
<きっかけ>
その帰り道、男は道端に一人で居る少女を見つけ、自分の貧乏な家へ連れて帰る。
家にはお婆ちゃん、20くらいの少女・さやか、妻が居る。息子と男、合わせて5人家族のようだ。
<悩みの時>
妻が誘拐になるから、と少女の家に連れて帰ろうとする。
家の前で少女の両親の喧嘩を聞く。
少女を両親の元へは帰さず、自分の家に連れ帰る。
<セットアップ>
男は日雇い労働者。妻はクリーニング店。
ゆりはどうやら虐待を受けていたようだ。
おばあちゃんの年金も使いながら生活する。
お婆ちゃん子のさやかは、エロい店で働いているが、家に金はいれていない。
<第一ターニングポイント>
少女を家にとどめておくことは危険だとさやかが仄めかす。
だが、妻はゆりを家に置いておくことに決める。
ゆりは家族の作った料理を一緒に食べる。
<サブプロット>
おばあちゃんとさやかの家族の話。
さやかとさやかの店の客のささやかな傷の癒し合い。
※追加:駄菓子屋の店主から「妹には万引きさせるなよ」と言われ、お菓子を渡される祥太。
<お楽しみ>
万引きシークエンス。
ゆりは家族との絆を深めていく。
家族同士の関係も良好になっているように見える。
<ミッドポイント>
男と妻はセックスをする。
庭から見えない花火の音をみんなで聞く。(「もう終わりかね」とおばあちゃんが言う)
海へ出かけ、お婆ちゃん以外の皆で手を繋ぎ、波際に立つ。
それを見てほほ笑むお婆ちゃん。
<迫りくる悪い奴ら>
家族はお婆ちゃんを埋め、年金を受け取り続けようとする。
家族の真相が徐々に明かされていく。祥太と男は実の家族ではない様だ。
祥太は成長し始め、男の行動が間違っているのではないか、と思い始め、その事を伝える。
妻は「店がつぶれなきゃいいんじゃないかな」と返す。
男は気にせず、車上荒らしをする。その背中を見て、迷う祥太。
<心の暗闇>
「妹には万引きを教えるなよ」と言った駄菓子屋に「忌中」の張り紙。
祥太はそれを見て「潰れてしまったのか」、自分のせいで、と思う。
<第二ターニングポイント>
万引きをしようとするユリを見て、それをやめさせる為にわざとバレる様にモノを盗む。
祥太は逃げるために高い所から飛び降り、足の骨を折る。
<フィナーレ>
捕まった5人はそれぞれ警察から事情聴取を受ける。
そして、家族の真相がわかってくる。
お婆ちゃんは自分を捨てた男の復讐の為にさやかを利用していたのだろうか。
男と妻はかつて、妻の元夫を殺害していた。
祥太には男たちが祥太が捕まった時逃げようとしていたと教える。
そしてゆりは自分の家に連れ戻される。
おばあちゃんの死体が埋められてたことが発覚する。
祥太は施設に入る事に。
妻は刑務所に入り、男は無罪。
妻は祥太を拾った時の情報を伝え、「頑張れば本当の母親を見つけられる」と伝える。
男は祥太と会い、一緒に雪だるまを作る。そして「父ちゃん、おじさんに戻る」と伝える。
祥太はバスに乗り、男から遠ざかっていく。
<ファイナルイメージ>
ゆりは、マンションの廊下で一人遊んでいる。
箱の上に乗り、壁の向こうを見つめる。
以上かな?
いーーーや! これか?
テーマはなんじゃ!?
<テーマの提示>をどこにも入れることが出来ませんでした。
テーマだらけなので、全体が<テーマの提示>なんじゃないの…?
園子温が「テーマは何ですかとか聞かれて答えられるなら映画を作る必要はない」
と言ってたので、じゃあそれで!(逃げた)
まず気になったのはタイトルのフォントのダサさ。
だっせ!と思ったけど、この飾らない感じが多分良くなるパターンのやつだと思う。
奇跡のタイトルも「うっす!」と思ったけど、
それがテーマと密接に関わっていたことを思うと今回のタイトルもきっと意味が……あるのか?
いや…フォントダサくないですか?いや、どうなんだろう…。
是枝作品の凄い所はどんな何気ない会話も、そこに意味が隠れているように感じるんですよね。
むしろ何ともない会話に聞こえれば聞こえるほど、「いや、ここには意味が隠れているはずだ」と
探してしまうように誘導されるというか…。
かと思えば急に不自然な会話運びで哲学的な事や、テーマに関わる事を言いだしたりする。
観客に「ここに意味が隠れてるから、考えてみてよ~」と仕向けてくるタイプでもある。
疲れるわ~。でもそこがいいんですよね。
お婆ちゃんの切った爪が男の靴の中に入ってて「イテッ!」なんてところも、
爪を切るという行為自体が、老人という不要になった存在と重なって、
それが下の世代を苦しめているメタファーとも考えられる…。
といった具合に、なんだか考えてしまうんですよね。
上でも述べましたが、原案是枝作品は苦手でした。
特に「歩いても歩いても」とか「海よりもまだ深く」(?)とかですかね。
大人すぎるでしょ……。と。
ただ、今回の「万引き家族」は違う!冒頭から「万引き」と言うサスペンスから始まり、
「社会的には間違っているけど優しさを持った人たちと、傷ついた少女との交流と」いう分かりやすい形!
それがバレるかバレないかのサスペンス!家族の絆!
分かりやすい!ありがとう、僕のような馬鹿にも分かるように作ってくれて(涙)
まぁ多分何もわかっていませんが、「面白さ」という部分で楽しく見ることが出来たのでよかった。
いっつもは「ねみー、ねみーけど、高尚な作品だと思う…むにゃむにゃ」という感じなので…。
リリー・フランキーがセックスした後に歌っちゃう場面とか最高でしたね!
うーん、やっぱりBS2が適用が難しい作品はありますが、
<第一ターニングポイント><ミッドポイント><第二ターニングポイント>
やはり三幕構成だけはしっかりありますね。
三幕構成だと<第一ターニングポイント>が<きっかけ>なのかも知れないな、とも思うこの頃。
「別世界に入る」という意味では<きっかけ>がその役割を果たしていることが多いから。
ただ衝動や必要にかられて別世界に入った後、別世界の危険性を知ったうえで、
それでも、別世界に本当に行くの?という揺さぶりは大事だと思う。これが<悩みの時>。
<きっかけ>は体が別世界に入ることで、
<第一ターニングポイント>は主人公の心が別世界に入る事。
物語で感動するのは心の変化だと思うので、
やっぱり<きっかけ>と<第一ターニングポイント>は違うもの、という認識が大事かなと思います。
<第一ターニング>と<第二ターニング>は対になるらしいです。
確かにそうですよね。
家族に加わった<第一ターニング>と、家族から出ていく<第二ターニング>。
ただその他のシークエンスはどうなんでしょう。ちょっとまだ勉強が足りてないですね。
そういえば、<ミッドポイント>でお婆ちゃんが微笑みますが、
これは第二回でやった「LUCKY」を見ていると、微笑みの意味がじーんと来ますよね。
まぁ、ただ微笑んでるだけですけど、そういうところに意味、探しちゃうね!
是枝ひろかっちゃんはすげーぜ!まったく!
ちなみにおすすめは「奇跡」です。これって原案はひろかっちゃんなのか?
とりあえず「万引き家族」、面白かった!
★★★★★ 星5!
【追記】
うーん、やっぱりこのBS2は違うような気がしてます。
Bストーリーは別世界の登場人物についての話+主人公が「本当に必要なもの」について語るビートです。
いわばテーマが語られるところなはずで、おばあちゃんとさやかの家族の話が本当にそうなんだろうか。
「外の世界」があるというのがテーマなような気もしてきました、「違う世界」がある、という事です。
そういうと、駄菓子屋の店主の「妹にはさせるなよ」というのも入ってきそうです。彼はメンターの役割ですし…。
メンターは後半死ぬのがセオリーですもんね…。ということで入れておきます。
うーん…。
『家族以外』との関わり、というのがBストーリーなのかもしれません。
そう考えると、少し拓けたような…。
ただ主人公が誰なのか? ここがしっかり分かっていないからグダグダなBS2になっている気がします。
成長するのはもちろん祥太です。ただ、彼だけが主人公とは言えない。
うーん…。
愛と憎しみ、正しさと過ち、うーん…。
むずい!って!