賃貸経営シリーズ(賃借人編)

 

<契約の成立>(1)

(質問)

申込書を提出し、手付金も支払っていたのに、後日、仲介業者から、「家主の都合で入居できなくなったので、手付金の倍返しを行って解約する」という連絡が入った。
現在、住んでいる物件の退去通知も行ったため、いまさら契約できないといわれても困るのだが、何とかならないか

(回答)

手付金を支払っていたということは、家主が契約の承諾していたという前提がありますので、契約が成立していたということです。

その場合、家主がカギを渡すとか、借主が契約金の全額を支払っていた(契約の履行に着手していた)ということがなければ、解約手付けとして、家主は、預かった手付金を返し、さらに同額を借主に支払う
(手付金の倍返し)ことで、契約を解除することができるのです。

逆に言えば、家主が手付金の倍返しを行えば、それ以上の責任を逃れることができますので、借主としては、他の物件を探すしかないのです。

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