熊本学園大学・神戸学院大学の事件対応に見るムラ社会 | 「永田町で考える地方のまちづくり 」

熊本学園大学・神戸学院大学の事件対応に見るムラ社会

熊本学園大学の学生が逮捕された女児殺人事件と

神戸学院大学の大学院生が逮捕された強制わいせつ事件で、

両大学とも、陳謝などの対応に追われている。


が、しかし、

これは大学が陳謝するようなことだろうか。

会社員が自社株をインサイダー取引するような場合なら分かるが、

大学は学生に対して「犯罪を起こすな」と指導する義務があるだろうか?

未成年の学生に対してあれば分かるような気もするが、

すでに成人している学生に対してこのような指導をする必要はなく、

仮にそのような義務があるとしても、現実問題、その履行は担保できないと思う。

たぶん、紙切れが一枚掲示板に貼られて、「犯罪を起こすべからず」的な

一般的・抽象的な指導にとどまらざるを得ず、

事件が未然に防止できるような対応にはならないと思われる。


マスコミは記事を書くにあたり当事者の発言を取りたいが、

当の本人が警察に拘束されている以上、その発言が取れない。

その代わりにという感じでの、大学の記者会見報道になるのではないだろうか。

要は、学生たるもの大学というムラ社会の一員であって、

ムラの構成員が起こした事件はムラ全体で責任を負うべきという、

封建的な考え方が背景にあるのではないかとも思われる報道ぶりだ。


大学こそ、知性のみを武器としてそのような封建体質を打ち破るべきなのだが、

大学の保守化は、おそらく、日本の知的社会における水準低下を招く。

犯人を擁護するつもりはさらさらないが、大学の陳謝は疑問が多い。